2000年の歴史!豊かな歴史と文化を誇る街、アウクスブルク 〜 ロマンチック街道を歩く 〜
赤の門(Rotes Tor)
アウクスブルクの南側の城門。
現在は城壁を利用した野外劇場が隣接している。
赤の門の隣には水飲み場があり、飲める。
六角形の給水塔
城壁の外側から。
2019年に登録された世界遺産「アウクスブルクの水管理システム」を構成する22の遺産の給水塔二棟が「赤の門」の隣にある。
現在ある六角形の大小の塔は17世紀の建設で、予約制の内部見学ツアーがある。
アウクスブルクの城壁沿いにフォトスポットを探すのも楽しい。
既に1413~14年ごろにこの場所に給水塔が建設され、世界最古の給水塔アンサンブル。
「赤の門」の前から小さい方の給水塔を望む。(城壁内)
見学ツアーは左手正面の扉より。
真下をレヒ運河が流れていて早速興味深い・・・。
世界中の水利システムのパイオニアとなった700年以上前から続くアウクスブルクの世界遺産、「水管理システム」についてはまた今度、詳しく書きたいと思います。
アウクスブルク大聖堂
今回のアウクスブルク訪問のメインはこちら。
4世紀頃からの歴史を持ち、現在の姿は後期ゴシック様式。
第二次世界大戦で一部破壊されたものの、現存する世界最古のステンドグラスが残っていることで知られている。
アウクスブルク大聖堂の入り口。
後期ロマネスク様式のアーチに初期ゴシック様式の扉、かな。
彫刻が素晴らしすぎて、見上げてばかり!
ちなみに、扉はとても重いので気合い入れて押します・・・。
現存する世界最古のステンドグラス。
12世紀の作品で、ロマネスク様式の窓。
残っている五枚には3人の預言者、ダビデ王とモーゼが描かれている。
(右端のモーゼのみ、オリジナルの一部を利用して15世紀に再製作された。)
現存する世界最古のステンドグラス。
左から、預言者ヨナス、預言者ダニエル、預言者ホセア、ダビデ王、モーゼ。
後期ゴシック様式の高い窓と圧巻のステンドグラス。
主祭壇の後ろ側に回る。
スマホの場合、しゃがんで、広角レンズで撮るのがお勧め。
祭壇を正面から。
身廊の統一感が素晴らしい。
ただただ、美しい。
このステンドグラスの前でかなり時間を使ってしまった。
花壇のお花たちがまた美しい。
祭壇前の赤子のイエスキリストを抱いた聖母マリア像。
足元に灯る蝋燭の光が神々しい。
シュヴァーベン地方のお役所。
チューリップが美しい~
門を通り抜けると、また花壇の素敵なホーフガルテン(庭園)に出る。
市民の協力で、誰でも無料で読める本が置いてあり、晴れた日は好きな本を手に取ってベンチで読書もいいな。
右手、15世紀のフレスコ画に注目。(1491年)
まだ幼子のイエスキリストを背負っている聖クリストフォロス。
川渡し。
実は、アウクスブルク大聖堂には1000年以上前のフレスコ画が地下礼拝堂に残っていることが発見され、世界遺産並みのその価値が議論されているらしい。
左側は、14世紀(1330~1340年)のステンドグラス。
アウクスブルク市庁舎の黄金の間(Goldner Saal)
オリジナルは1643年に完成。
市庁舎はアウクスブルクの建築家、エリアス・ホルが設計。
1944年2月25日~26日の爆撃で破壊された。
その後、市庁舎自体はすぐに再建されたが、黄金の間は1978年になってから再建が決定。
1985年の、アウクスブルク建都2000周年に合わせ、完成させられた。
「黄金の間」の名の通り、2,6kgの金を利用し天井や壁にメッキしている。
キラキラ。。。
天井画はアウクスブルクの画家マティアス・カーゲルの作。
後期ゴシックらしい窓の整然とした並びと、ド派手な天井の絶妙なマッチング。
壁や天井の一部は、立体的に作られていたオリジナルの通りには(予算と時間の問題で)再現せず、絵で立体感を出している。
エリアス・ホル建築らしく、木材の重厚感を大事にしているので、キラキラでも落ち着いた印象を与えてくれる。特に扉。
VIA Claudia Augusta
文字通りのローマに続く道、ローマ街道。その中でも大変重要なルートだった。
この標識を辿ると、アウクスブルクの北の街、ドナウヴェルトの北部からヴェネチアまで、行くことができる。
ドナウ川を超えたところに、ローマ帝国時代の国境線「リーメス」がある。(世界遺産)
松の実。
アウクスブルクの市の紋章にもなっているこの実、実は老後の繁栄を象徴しているとか。
教会の装飾としてや(写真の例)アウクスブルクのマンホールの蓋のデザインに利用されていたりと、街の至る所で目にする。
2世紀ごろ、商人たちは牛車を使い貨物を運んでいた。
こちらのレリーフでは、ワインの樽が荷台に乗っている。
こんな感じで、今回は、
・アウクスブルクの世界遺産で世界最古の「水管理システム」
・現存する世界最古のステンドグラスを有するアウクスブルク大聖堂
・エリアス・ホル建築の傑作「市庁舎の黄金の間」
・アウクスブルクのルーツを探る2000年前のローマ街道「VIA Claudia Augusta」
などを贅沢に街歩きする旅でした。
このほかにも、マリーアントワネットがオープン記念式典に呼ばれたシェッツラー宮殿でお手洗いを借りたり、世界最古の社会福祉住宅「フッゲライ」をチラ見したり、給水塔以外にも水管理システムを見学したりと、アウクスブルクの魅力、そしてロマンチック街道の魅力も満喫するとても充実した時間を過ごすことができました。
一日では到底見切れないので、最低一泊、できれば二泊したいところです。
続きはまた今度〜。