旅がつなぐもの〜久保康友編
出会い
ドイツ第二の都市ハンブルクで奇跡的に出会った、久保康友さん。
ハンブルクの野球チームでプレーする息子を持つ友人から、
「旅の相談に乗ってあげて欲しい人がいる。」と連絡をもらった。
まずは電話で相談することになったのは4月の終わり。5月の初めに1週間オフがあるので、ドイツ国内を旅したいということだった。
最初の印象は、話しやすい人だなぁという感じ。
久保康友さん、旅人。
1980年8月6日生まれ。奈良県橿原(かしはら)市出身。
元NPB登録選手。1999年より社会人野球、プロ野球で活躍し2018年からは米国でのキャリアを皮切りに海外で現役を続ける。
2023年はドイツ第二の都市ハンブルクに住み、Hamburg Stealersで投手としてドイツのブンデスリーグ一部リーグで大活躍。
肩書き
世間では
「元プロ野球選手」
「元NPB登録選手」
「松坂世代最後の大物」
「投げる哲学者」
などいろんな表現をされている久保さんだけど。
野球はついで
「野球は、ついで。世界中の綺麗な景色を見たいから来ている。」
と言い切る彼の言葉に、ついつい
ー では貴方の肩書きは何ですか?
と訊きたくなった。
でも、話をしていたら、そもそも久保さんは肩書が不要な人なんだとすぐに理解した。
どんな枠にもハマらない人生を生きている人。そんな印象を持った。
旅って何?
そんな久保さんを「旅人」と表現したのはきっと私が初めてでは、と思うけれど、結局
「旅の定義って何?」
と聞かれる始末(?)。
「まずは、旅の定義づけをしないと、自分のしていることが旅なのかどうか分からない。」
そんな話になったのは、私がお仕事している世界仮想旅行社の旅配信でインタビューさせて頂いた時のこと。
そのインタビューについては後ほど。
フラッシュバック
いろいろお話する中で、思い出した事が一つ。
1998年に久保さんがエースとして投げていた関西大学第一高等学校の野球チームが春の選抜高校野球大会で決勝戦に進出した時のこと。
NPB時代は西武、そしてメジャーリーグでも大活躍する事になった「平成の怪物」松坂大輔さんが在学する横浜高校との対戦を、当時私はテレビで観ていたのだ。
急に思い出したのは試合後の一コマ。久保さんの関大一高は負けてしまったのだけど、その時に画面に映った彼の姿がとても印象的だった。
甲子園の土を持って帰るわけでもなく、敗北に涙するわけでもなく、ベンチ前で手持ち無沙汰そうにぼーっと立っている姿を見て、面白い人だなぁと思ったので印象に残っていた。
再会?
その時は、それが誰なのかは特に気にしていなかったけれど。ある時、それがハンブルクで目の前に立っている久保さんと同一人物だとハッと気づいて驚いた。当時、テレビの画面越しに見たその姿と、何だか全然変わらない。
一方で、実際はぼーっと立っていることは少なくて、よく話し、笑顔を絶やさないとてもアクティブな人だということも分かった。
とにかく、そんな風に改めて久保さんと出会ったので、せっかくなので彼のプレーしている野球チーム、Hamburg Stealers の応援をしたくなった。
Stealers TVというチームのYouTubeチャンネルで、久保さんにインタビューする際の通訳を募集しているということで、縁あって通訳役をさせてもらった。当日は、インタビュアーのJensや、アシスタントのAndréに挨拶して、早速準備に。
その時のインタビューがこちら。
質問内容は事前にJensと打ち合わせしたので知っていたけど、回答は何が出るか分からない一球勝負、収録にも関わらずリハもなく、ノーカットという事で途中頭が真っ白に。
真剣に聞いているのに、緊張しすぎて内容が頭に入ってこないのってこういうこと!
見直せば見直すほど、もっと上手くできたはずなのに!と思うけど・・・修行が必要だなぁ。
それに、Jensがたくさん話していた内容も、もっと久保さんに訳してあげるべきだった?
それでもなんとか乗り越えられたのは、事前に久保さんと一緒に準備運動でストレッチしたからと、マイクテストの時に大笑いしたからかな。
ドイツから日本に世界遺産を持って帰りたい!?
マイクテストの時に一問ぶつけてみたのは、「ドイツから日本に持って帰りたいものは何ですか?」
答えは「世界遺産」
大真面目です・・・。しかも回答が返ってくるまで0,1秒くらいしか無かった気がする。
ここで、久保さんのお茶目な表情に大ウケしてしまった私は笑いが止まらず、モニターをチェックしていたJensが何事かと飛んでくる事態に。
本番では、もっともっと真面目なお答えを頂きました(笑)。インタビュー見てね↑
Live配信でインタビュー
そして、さっきの話の続き。
せっかく縁あってドイツに旅してきてくれた「旅人」久保さんと出会ったのだもの。ライバーとしてはもの凄〜く自分でインタビューしたい!
そう思い、監督のDavidに電話をして取材許可をもらった。
いくら私が野球好きだと言っても、特に業界に明るいわけではないので、野球についての質問は(殆ど)しない、「旅」について訊く、という約束でOKしてもらった。
その時のインタビューがこちら。
ちなみに、YouTubeで生配信したのだが、久保さんにとっては初めてのLive配信だと聞いて驚いた。
(プロ野球の試合後に受けるインタビューなどで慣れているのかと勝手に思っていたけど、全然違うらしい・・・。)
映画『メジャーリーグ』を見て野球に興味を持った。
せっかくなので監督のDavidにも突撃インタビュー!サッカー大国のドイツで、映画『メジャーリーグ』をきっかけに野球を始めたという。
久保さんについて本音で語ってもらった。
こちらはドイツ語v.s.ドイツ語なので、日本語字幕をつけて、私のYouTubeチャンネルにアップしました。
『けいこのお城チャンネル』ではドイツを初め、主にヨーロッパの観光地(当然お城多め!)のご紹介や、Live街歩き配信などを行ったり、旅人にフォーカスを当ててみたりしています。
ぜひチャンネル登録して応援してください〜♡
ちょっとしたエピローグ
そんなわけで、旅が、ご無沙汰していた友人と私をまたつないでくれ、久保さんと私もつないでくれ、野球と私もまたつないでくれた。
Hamburg Stealersのチームのみんなや、試合の応援を通してまた新しい出会いがあったり、最近は出会いにいとまが無い。
結局「旅」とは何なのかずっと考え続ける事になるかもしれないけれど、素晴らしい出会いをもたらしてくれて、次はどんな出会いが待っているのだろうと、ワクワクドキドキする気持ちが止まらないものだということは、確かだと思う。
これからも素敵な旅をしよう!
2023年9月にさせて頂いた久保さんへの直撃インタビュー記事はこちら。併せて読んでね。
Keiko、ドイツ全国街歩きガイド
富山県高岡市出身、B型、魚座。
2021年6月に脱サラし、フリーランスとして旅ガイドに転向。
2021年7月〜8月 ドイツ・ロマンチック街道をバックパック徒歩一人旅で5週間かけて踏破。世界で一人だけのロマンチック街道公認アンバサダーでもある。
2022年2月に初の旅エッセイ『そして私は旅人になった』を出版。