ロマンチック街道バスの旅2024 vol.1

レーダー通りとマルクス門

ロマンチック街道には29都市が加盟している。
今回は、そのうちの北ルート、ヴュルツブルクからローテンブルクを巡るロマンチック街道バスでガイドをしている私Keikoが徹底解説します。

ロマンチック街道バスのご予約はこちら

チケットが無くても席があれば乗れますが、車内で現金払いになります。

バスは一台しか出ないので、満席で乗れなかった!とならないように、事前の購入をお願いしますね〜。

<ガイドさんKeikoさんが紹介するロマンチック街道バスの動画>

ロマンチック街道乗車の前日は、フランクフルトにお泊りの方も多いのではないでしょうか。

もしかすると、日本からフランクフルトに到着したばかりという方もいらっしゃるかもしれませんね。

翌日に備えて、早く寝ましょう。

こちらは、聖バルトロメウス、通称カイザードームの塔からの眺め。体力に自信がある方は、ぜひ348段の階段を上り、この絶景を楽しみましょう。

フランクフルト カイザードームからの眺め

<朝9時、ロマンチック街道バスはフランクフルト中央駅から出発。>
マンハイマー通り(Mannheimer Str. )にバス会社Touringのバス停があり、ロマンチック街道バスの標識も出ているので分かりやすいけれど、EURO2024開催中は、少々イレギュラー発生。

バス停の表示が取り外されているのですが、場所は変わらないのでご安心を!

フランクフルト中央駅のバス停

中央駅を通ってくると、一番線側の出口を出ると分かりやすく、向かいにあるInter City Hotelの標識に従うと簡単に来れる。

通常は黄色と緑のHの印の下に、Romantic Road Coachの看板が出ている。

ヴュルツブルク中央駅の場合は、駅舎を出て(出口は一つしかない)、駅舎を背に右に折れ、バスターミナルの方へ行くと12番のバス乗り場に表示が出ている。フランクフルト発が何らかの事情で遅れると、10時35分に間に合わない事があるけれど、ちゃんと行きますからね!

<11時20分か30分くらいに到着する最初のチェックポイントは、ヴァイカーズハイムの街。>

何と、路線バス以外ではロマンチック街道バスのみが城壁内に乗り入れることができる特典付き!

特別扱いされている気分で嬉しい。

ヴァイカーズハイムのマルクト広場中央の噴水の手前にバス停があり、バスはそこで待機してくれる。

バス停にはヴァイカーズハイム城のガイドさんが迎えに来てくれるのも特別。

30分ほどかけてメインの「騎士の間」と、バロック庭園を見学。

ヴァイカーズハイム城の騎士の間は400年以上前に作られ、写真右側の黒い時計と、床に近い絵画は、18世紀のバロック時代に追加されたもの。

それ以外は1600年ごろのお城の建築以来。1586年から建築が始まり、1600年に完成。

ヴァイカーズハイム城 騎士の間

ヴォルフガング・フォン・ホーエンローエ伯爵の命で、当然騎士の間には肖像画が。

更に、ハプルスブルク家との関係を強調するため、皇妃マリア・テレジアと皇帝フランツ一世も描かれている。

壁に表現された3Dの動物たちが凄い。。。

特に象の顔に注目したい。。。

天井のフレスコ画には色々と悪戯が隠されている。

見つけた人はいいことあるかも(?)

<ホームページ>
https://www.schloss-weikersheim.de/

バロック庭園がオリジナルで残っているこちら。

ヴァイカーズハイム城のバロック庭園

お城が建てられた約100年後の1703年に作られた。

年に3度、花壇のお花が植え替えされ、色とりどりの季節のお花たちを愛でることができる。

春、暖かくなってくると、オランジェリー(写真の奥)からレモンやオレンジの木が外に運び出され、お庭が一層華やかになる。

ちなみに、オランジェリーの上には登れません・・・以前お客さんに訊かれたので、お城の方に確認した。

バロック庭園なので、噴水を真ん中に左右対称のシメトリーの美しさにも注目したいところ。

ヴァイカーズハイムの次はレッティンゲンへ移動。

<12時10分ごろレッティンゲン着。>

レッティンゲンのバロック市庁舎前

レッティンゲンでは、バスを降りて市庁舎の前で5分ほど撮影タイム!

バロック様式の市庁舎や木組みの家に囲まれたマルクト広場は、小さいけれど美しい。

人口2000人にも満たないけれど、レッティンゲンは1953年にドイツで最初のヨーロッパ都市となった。

レッティンゲンを出た後は、クレクリンゲン(Creglingen)の街をバスで通過しながらお話。

<12時20〜30分くらいにクレクリンゲンを通過>

この街にもたくさんの見所があるけれど、何と言ってもヘルゴット教会(Herrgottskirche)にある聖母マリアの祭壇は素晴らしい。

ヘルゴット教会

1505年から1508年にかけて、ティルマン・リーメンシュナイダー(Tilman Riemenschneider)によって創作された。

教会自体は14世紀末からの歴史がある。

バスの車窓からは教会の外観を眺めるだけだけど、この教会のためにクレクリンゲンの街を再訪する価値はある。

その前に、車窓から見える、クレクリンゲンの旧市街とお城。

旧市街の周りにはまだ城壁と4つの塔が残っていて、2つの塔は文字通りの「タワースイート」となっており泊まる事ができる。

(お部屋の種類はいくつかあるので、タワーが予約できるかは確認してくださいね!ホテルTauber Lodgeのご予約はこちら

旧市街の景観は、木組みの建物が美しい。

クレクリンゲン城

中世には、木材を雄牛の血で染めていたそうで、街の中心にあるクレクリンゲン城も例に漏れず、赤い。

現在は、市の施設で、図書館などが入っている。

そして、見どころはまだ尽きない。

世界に(おそらく)一つだけの指貫博物館。

指貫博物館

プライベート所有なので、事前に電話で予約をすると所有者の方が中を案内してくれる。

世界中から3000個以上の指貫を集めて展示しているそう。

それにしても、指貫でチェスまで作ってしまうなんて!

<ホームページ>
https://www.fingerhutmuseum.de/showpage.php?SiteID=21

<13時ごろ、ローテンブルクに到着!ここで3時間の自由時間>

バス停はシュランネンプラッツ(Schrannenplatz)にあり、城壁内唯一の駐車場。

ロマンチック街道バスは、ローテンブルクの城壁内に乗り入れが許可されている観光バス。

さすが、1950年からの歴史を誇るだけある。

ローテンブルクは再会の街でもある。

シーズン初日はロマンチック街道会長のユルゲンが待機していてくれた。

ハグ。

半年ぶりかな?

13時半ごろ、ランチは大抵シュランネ(Schranne)で食べることにしている。

ロマンチック街道バスのお客さんたちとワイワイ一緒に食べることもあるよ!

バス停から近いというのもあるし、スタッフの方がいつもとてもフレンドリー。

こちらはホームメイドのフランケン・ソーセージに、付け合わせはザワークラウト(発酵キャベツ)とクネーデル(ジャガイモ団子)。

お腹いっぱい食べられて、バランスも良い嬉しい一皿。

夏場は、お店の前のテラス席、店内に加え、お店の後ろオシャレなガーデンテラスもオープンしていて素敵。

市庁舎から200m程しか離れていないけれど、ゆったり時間が過ごせるのが好きな場所。

お客さんたちは、地元料理とワインを楽しんだら、さあ散策。

Keikoはゆっくりコーヒー飲んでから散策(笑)。

<ホームページ>
https://www.hotel-schranne.de/

ローテンブルクの中で最もよく写真に撮られていると思われるランドマーク、プレーンライン(Plönlein)

片道だけバスに乗って、ローテンブルクに泊まってもいい。

その場合は、ぜひ夕方や朝方もここに来て景色を楽しんで欲しい。

プレーンラインの意味は「泉の周りの小さな広場」

真ん中の木組みの家の前には、ちゃんとその名の通り小さな泉がある。

そして両端には城門の景観がとても人気。

市庁舎からObere Schmiedgasseをまっすぐ行くと数分で着く。

かなり遠くから左側のジーバー塔(Sieberturm)と真ん中の家が見えるので、迷うことはあまりなさそう。

ローテンブルクのおすすめホテル5選はこちら。

ローテンブルク プレーンライン

天気がいい時は、ローテンブルクに着いたら、まず市庁舎の塔に上る。。。

ローテンブルクの街で一番高い場所。

220段の階段を文字通り駆け上がり、360度のパノラマ!

聖ヤコブ教会を始め、赤い屋根の街並みが大変美しい。

お会計は、200段近く上った後になります。

最後の数段は梯子をよじ登る。

お会計まで行って、支払いをせずに降りるのはルール違反なので、気をつけましょう。

<ホームページ>
https://www.rothenburg.de/entdecken/lieblingsorte/begehbare-tuerme

それから、城壁の上を歩くのも楽しい。

例えば、シュテーパーラインの舞台(Stöberleinsbühne)

城壁の上を歩くならここが一番面白いと思う。

小さな塔がずらっと続いている独特な城壁は他の街で見たことが無い。

<ホームページ>
http://www.stoeberleinsbuehne.de/

ローテンブルクは、一年中クリスマスの街としても知られているので、ケーテ・ウォルファルト(Käthe Wohlfahrt)のクリスマス村やクリスマス博物館はぜひ行っておきたい。

ロマンチック街道バスのに乗ると、ショップで使える3%オフのバウチャーがもらえるよ!

ローテンブルク市内に、ケーテ・ウォルファルトのお店は10店舗以上あるけれど、ちゃんと、クリスマス村があるHerrengasseのお店に入って欲しい。
赤い車が止まっているのが目印なので分かりやすい。

市庁舎から歩いてすぐの場所。

<ホームページ>
https://www.kaethe-wohlfahrt.com/

<17時半ごろ、ヴュルツブルク司教館に到着。>

バスツアーでは、夕方、ローテンブルクからの帰りに30分ほど時間をかけて、宮廷教会とバロック庭園の見学をする。

お手洗いは、庭園の入り口付近で使える。

宮殿の中を見学したい場合は、後日改めてゆっくり回って欲しい。

司教館の中とお庭で2時間程度はかかる。

1981年からUNESCO世界文化遺産。

 

ヴュルツブルク司教館 バロック庭園

ヴュルツブルク司教館の宮廷教会。

バスが司教館前に止まったら、まずはみんなで教会に向かいます。

ヴュルツブルクで一番豪華な教会と言われている。

理由や背景はバスの中でお話しします!

入り口がとても分かりにくいので、知らないと見逃しがちな場所。

でも見逃すには勿体なすぎる。

ここからは、バスツアーでは入らないヴュルツブルク司教館の中を少しだけご紹介。

ヴュルツブルク再訪のチャンスがあれば、内部見学は必須!

入り口は、馬車で乗り付けた玄関ホール。

ここは十分広いけれど、六頭引きの馬車までしか入れず、ナポレオンが19世紀初めに八頭引きの馬車で訪れた際には何と外で馬車を降りなければいけなかったという曰くつき。当時ナポレオンの二番目の奥さんマリールイーゼの叔父さん、フェルディナント・フォン・トスカーナ公がヴュルツブルクを治めており、せっかくナポレオンを招いたのに・・・ちょっとした恥ずかしい話。

その後、右手にあるカウンターでチケットを買い、まずは階段の間へ。(Treppenhaus)

バロックの巨匠、建築家バルタザール・ノイマン(Balthasar Neumann)初期の傑作!
柱が無い構造で、建築当時は、耐久性が疑問視されたが、実際は1945年3月16日の空襲にも耐えた凄い場所。

ノイマン自身も軍隊に属していたので、その際に大砲の威力など、色々と勉強していたらしい。

600平方メートルを超える天井のフレスコ画は世界最大の面積を誇る。
ジョヴァンニ・バティスタ・ティエポロ(Giovanni Batista Tiepolo)の作。

絵の中にも彼自身に加え、バルタザール・ノイマンと彫刻家のアントニオ・ボッシ(Antonio Bossi)や自分の家族などを描いている。

ティエポロは隅っこでちょっと控えめ?

他にも司教館建設の命を出した大司教シェーンボルンと、太陽神アポロが同じ高さに描かれていたりと興味深い。

ヴュルツブルク司教館 階段の間

むちゃくちゃ豪華な饗宴の間。

手前のお部屋は白とグレー基調になっていて、目を休めてからここに入るので、さらにインパクトがある。

ここも、階段の間同様に柱が無い作りになっていて、バルタザール・ノイマンの思い切りと才能を感じる場所。

真下はガーデンホールになっていて、たくさんの柱があり、このホールを支える一端を担っている。

ガーデンホールも明るい印象にするため天井がカーブしていて、お部屋を広く見せる工夫がされているので全く重圧感を感じない。

ヴュルツブルク司教館 饗宴の間

ここが噂の庭園の間。

上記の通り、本来は明るい作りになるデザインがされていた。が、

問題のフレスコ画、ちょっと暗い印象・・・。

こちらは、イタリアから巨匠ティエポロが来る前に、ヨハン・ツィック(Johan Zick)の手で描かれた。

更に、間違い探し・・・一箇所、とても不自然な場所があるけど・・・どこでしょう!

ヴュルツブルク司教館 庭園の間

1812年5月13日~14日にナポレオンが皇妃マリー・ルイーゼと共に一泊、泊まったお部屋。

そう、一泊・・・。

そのために寝室が家具と共に新調された。

1945年3月16日の空襲で、この部屋はあまり被害を受けず、事前に宮殿外に運び出されていた家具はオリジナルのまま残った。

それにしても、一夜しか使われなかった200年前のベッドって・・・。

Das Käppele
ヴュルツブルクのランドマークにもなっている、礼拝堂。
バスの車窓からよく見える。

ダス・ケッペレ

18世紀にバルタザール・ノイマンによって設計され、1748年~50年にかけて建築された。

内部はバロック、ロココ、そして初期の新古典主義となっている。

週末は敷地内のカフェがオープンするので、そちらもお勧め。

ロマンチック街道をハイキングで周遊する際は、最初のチェックポイントはここ。
Löwenbrücke(レーヴェンブリュッケ、ライオン橋)がハイキングコースのスタート地点(徒歩の場合は、ヴュルツブルク司教館がスタートではない)

そこから、どんどん上り坂。
坂が終わったと思ったら階段を上り、ようやく辿り着く。

十字架の道を通っていくので、小さな礼拝堂を一つづつ眺めながら上るのも良し。

街から離れているためか、1945年3月16日のヴュルツブルクの空襲被害を免れた。

ダス・ケッペレから見る朝焼け

Das Käppeleは、ヴュルツブルクの街の真西の高台にあるので、日の出と朝焼けを楽しむには最高のロケーション♡

天気予報と睨めっこして、タイミングが良さそうな時に、日の出の一時間ほど前にDas Käppeleの階段を上り、バルコニーで待つ。

冬はかなり寒いので、外で待つのに耐えられる気候になってからがお勧め。

ただし、どんどん日の出の時間が早くなるので注意しなければいけない。

むしろ早起きより徹夜したほうがいいかも(笑)

この時は、朝4時くらいかな?

公共交通機関が動いている時間ではないので、一時間弱ほど中央駅から歩いて行く。

ダス・ケッペレからの眺め(午後)

Löwenbrückeのところにある公衆お手洗いは24時間利用できて綺麗!

助かります。

もちろん、昼間でもヴュルツブルクの街全体を望む絶景が見られることは言うまでもない。

左手にマリエンベルク要塞もよく見える。

<ホームページ>
https://kaeppele-wuerzburg.de/

<19時半、さあ、フランクフルトに戻ってきました。>

それでは、この夏、ロマンチック街道バスでたくさんの方にお会いできることを楽しみにしております。

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この眺めが見えるホテルはHilton Frankfurt City Centerです。

ホテルのご予約はこちら〜

素敵な夜をお過ごしくださいね。

夕暮れのフランクフルト

ロマンチック街道バスの旅2024 vol.1” に対して2件のコメントがあります。

  1. 木村りえ より:

    こんにちは。素敵なお話と写真ですね。
    実は私の仕事上の師匠が来年、ローテンブルクとハイデルベルクをご夫婦でバス旅行したいと仰ってます。
    どちらかを拠点としてハイデルベルクやニュルンベルク、ヴュルツブルクやらを回るのはどうかと思いますが、何かいいアイディアはありますでしょうか。10日間ほどの日程でフランクフルト発着便で行かれます。
    厚かましい質問で失礼します。

    1. Keiko より:

      りえさん、

      記事を読んでくださり、また、コメントもありがとうございます。
      ご師匠がドイツにお越しになるのですね。
      詳しいお話を伺ってみないと何とも言えないところではありますが、よろしければメールでご連絡させて頂ければと存じます。

      大変お手数ではございますが、お問い合わせフォームからご連絡を頂けないでしょうか?
      https://ks-castle.com/contact/

      楽しみにお待ちしております。

      Keiko

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