リューネブルガーハイデに魅せられて 〜 エリカ街道 〜
ハイデ(エリカ)の花って?
ドイツ語では「ハイデ」というエリカ(Erica、学名)の花。紫やピンク、白い小さな可愛らしい花が密集して咲く。
水はけの良い土地に育ちやすく、「リューネブルガーハイデ」を中心に北ドイツに多く見られる植物。
ツツジ科の低木となっているけど、大きい花が咲く派手なイメージのつつじと全然違う・・・。
この絨毯が全て小さな小さなお花が密集してできた景観だなんて!絶景!
リューネブルガーハイデを歩く魅力
・・・と言うか、リューネブルガーハイデは何度か訪れたことがあるが、馬車にも乗ったことがないし、自転車で回ったこともない。
なのでハイキングの魅力「しか語れない」のだけれど(笑)。
夏でも天気の悪いことが多い北ドイツで、リューネブルガーハイデでは大抵お天気に恵まれてきた。
青空の下で、眼前に広がるハイデの可愛いお花色と砂地のコントラストを見たら、延々と歩きたくなる人も多いのではないだろうか。
私も、可愛いハイデの花が咲き乱れる自然の中を歩くことに魅せられて何度も行ってしまう。
しかも、ハイデの絨毯、何か美味しそうな色なの・・・(笑)。元々、紫色が大好きだし!(そういう問題?)
ウンデローの村は意外と混んでいるけれど、ハイキングコースはいくつもあり、とても広いので中ではほとんど人に会うことが無い。
唯一、トーテングルントに一番近い馬車降り場からトーテングルントまでは、人がいる感じ。
(と言ってもごちゃごちゃしているわけではない。)
ただ、開花指数100%になったら、週末よりは平日の方がより楽しめるかも。
リューネブルガーハイデ名物、ハイデシュヌッケンとハイデの景観
イタリアのサルディーニャ島や、フランスのコルシカ島のムフロン(野生の羊)に起源があると言われている、ハイデシュヌッケ。
運が良ければ、ハイキング中にハイデシュヌッケンの群れに出会えるよ〜。(これまでの遭遇確率二割くらい。)
そして、約9000頭いる彼らなしには、美しいハイデの絨毯が保てないと言われている。
なぜかと言うと、彼らはちまちま食べるのが好きで、ハイデの雑草や野草を好んで食べてくれる。
山羊も一緒に群れにいて、ハイデシュヌッケンには硬すぎる雑草を食べるんだとか。
つまり、それによって美しいハイデの景観を邪魔するものが自然と取り除かれているの!
しかも365日、9000頭が13の群れに分けられていて、毎日10-12kmを移動しながらご飯を食べるんだって。
羊飼いの方たちお疲れ様です!
もちろん羊なので、毛糸も取れる!ハイデシュヌッケンの毛で編んだお洋服もあったかくて人気。
・・・そして、ハイデシュヌッケンは食べることができる。ソーセージや煮込み料理が地元のレストランで出されているよ〜。
押さえておきたいポイント
ポイント1:ずっとハイデやブルーベリーの低木が広がっているところを歩いていくので、周りの景色が同じに見えて迷う可能性が。
ハイキングコースの地図は持っていきましょう。
標識もあるけど、前回はそれでもちょっと迷った・・・。
ポイント2:シーズンが夏なので、暑いことも多いし、お水や非常食は必ず携帯して!
ハイキング中に買えるところはもちろんないので、脱水症状になる前にちゃんと飲みましょう。
リューネブルガーハイデを本格的に歩くなら、最低でも3時間はみなければいけない。
ポイント3:開花指数を参考に。シーズンになると、リューネブルガーハイデのHPに開花指数が表示されている。
シーズンは7月後半から−9月半ばまで。要チェック!
2023年は、7月半ばに開花指数10%以下の時と、8月末の開花指数100%の時の二度、現地を訪れた。(上記写真参照)
おすすめコース
あちこち歩き回ったけれど、おすすめコースはこちら。(約15kmくらい?)
○ウンデローに駐車(有料、前払い制)
○ヴィルデーゼ方面に歩く
○トーテングルント方面の標識が出たら、その通りに行く
○トーテングルントをぐるっと一周(40mの高低差がある巨大なすり鉢のような斜面にハイデが咲き乱れる絶景)
○ヴィルゼダーベルク方面へ(この辺りで一番標高が高い場所。169,2m)
○ヴィルゼーダにぐるっと戻ってお昼ご飯
○駐車場までハイキング、帰る前にコーヒーでも。
※トーテングルントのみ見に行く場合でも往復7kmくらいは歩く。
自然保護区の掟。
自然保護区となっているリューネブルガーハイデ。
なんと自然保護区は234km2 に渡り、その中でハイデ(エリカ)が咲いている場所は5200haもあるとか。
65%は森になっていて、ドイツでも指折りのハイキングコースにもなっている。
自然保護区なのでいくつかルールがあり、訪問する時は気をつけたい・・・。
と言って常識しか書いてないので守るのが大変とは思えないけど・・・。
○決められた道を歩く
○犬はリードに繋ぐ
○ゴミは持ち帰る
○動物たちの邪魔をしたり、花や果物などの植物を採取して持って帰ったりしない
○乗馬する際は決められた道をいく
○自転車の場合は歩行者に気を遣う
○火を起こしたり、火のついたタバコを捨てない
○車は決められた場所に泊める、キャンプはしない
リューネブルガーハイデへのアクセス
ハンブルク、ハノーファー、リューネブルク、ツェレと言ったICEの走っている駅近郊であれば電車で行ける。
でもやっぱりリューネブルガーハイデのハイライト、
「ウンデロー (Underoh)」
「トーテングルント (Totengrund)」
「ヴィルゼダーベルク (Wilseder Berg)」といった場所を訪れるなら車がおすすめ。
ウンデロー (Underoh) は観光で訪れるなら拠点にすると便利。
そこから、トーテングルントやヴィルゼダーベルク方面にハイキングコースを歩いて行ける。
ホテル、レストランやカフェも多いし、馬車に乗れる場所もたくさん。
ハイデ・グルメ
自然の中をたくさん歩いたら、食欲が湧いてくる。(よね?)
ハイキングコースを出たら、ウンデローに戻る前に通るヴィルゼーデのカフェで美味しいご飯を食べよう〜。
・・・ということで、ハイデシュヌッケンのお肉を使ったお料理も、付け合わせのハイデ・ポテトも、蕎麦粉のケーキも美味しかった。
(お腹空きすぎて、写真が下手すぎる・・・汗)
ウンデローまで戻ると結構おしゃれなカフェやレストランもたくさん。
ちょっと前の写真だけど、ザクロのアイスティーに森のキノコのパスタをどうぞ!
ハイデ・グルメの中で私が特に好きなのは蜂蜜。
ハイデの中で養蜂も盛んに行われており、とても濃い蜂蜜がとれる。
スプーンですくうと、ザラっとする感じでより固形に近い。
一般的なアカシアなどとはまた一味異なるハチミツ。温かいトーストに塗ると美味しいよ!