重厚で、繊細な世界遺産を街歩き!「バルト海の女王」リューベック
【バルト海の女王とも呼ばれたハンザ都市】
【北ドイツ特有のレンガ造りの独特な街並み】
かつて「バルト海の女王」や「ハンザの女王」と称えられた街リューベック。
バルト海に面した、北ドイツを代表する都市の一つです。
1987年に「ハンザ同盟都市リューベック」としてUNESCO世界文化遺産登録されました。
その北ドイツらしい、ハンザ都市の誇りが感じられる堂々とした荘厳な世界遺産の街並みを歩く魅力をお伝えします。
穴場の観光地とも言えるかもしれない、欧州レンガ・ゴシック街道の通り道にもなっており、レンガ建築好きにはたまらない街でもあります。特に黒い煉瓦が有名。
レンガの街並みに加え、街を上げて守っている「七つの塔」の景観もおすすめの見所です。
まずは聖ペトリ教会から。
13世紀からの歴史を持ち、レンガゴシック様式のホール教会として建築。
16世紀までに何度か拡張され三廊式になりました。
1942年の空襲で焼け落ちましたが、1966年に外観の再建が完了しました。
中にはカフェがあります(冬休みあり)。
また、塔にも上ることができるので、上からリューベックの街を眺めるには最適です。エレベーターで上れますよ!
マリエン教会は、ケルン大聖堂、ウルム大聖堂と並ぶドイツ三大教会の一つ。
ゴシック様式の高さにこだわった傑作ですね。
二つの尖塔は、リューベックの美しいを作っている七つの塔にも含まれます。
「七つの塔の景観」は、他に聖ペトリ教会、聖エギディエン教会、聖ヤコビ教会の塔で構成され、リューベック市長を中心に塔の保全を中心とした景観保護活動が行われています。
レンガゴシック建築は北ドイツで頻繁に見られますが、こちらのマリエン教会はその中でも特に素晴らしい。
ちなみに、ヨーロッパ・レンガゴシック街道という観光街道がデンマークからドイツを通りポーランドまで続いていますが、もちろんリューベックも通り道になっています!
ヨーロッパ・レンガゴシック街道のホームページ(英語あり):
https://www.eurob.org/
ゴシック様式と言うと、中は荘厳だけれどシンプル、という印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
それは、このマリエン教会には当てはまりません。この天井!!
きっと気が遠くなるような作業だったことでしょう。
バロック音楽の完成者として知られるヨハン・セバスチャン・バッハ。
彼はこのマリエン教会のパイプオルガンの素晴らしさに惚れ込み、当時のオルガニスト、ブクステフーデの指導を受けるためこの教会に通い詰めた時期があります。
マリエン教会の前に座る悪魔とは?
教会と悪魔って縁がないように思えませんか?
幸せそうに微笑む悪魔さん・・・
実はこの方、マリエン教会建設でとても活躍しました。
1250年から100年もかかって建設された教会ですが、いよいよ完成しないとマズイ・・・となった時に何と魔法で助っ人してくれたのです。
しかし、そこには大きな勘違いが!
この悪魔さん、自分がお手伝いしているのはワイン居酒屋だと思ったのですねぇ。。。ええっ!?
出来上がってみたら何と自分とは縁遠い教会ができてしまい、「騙された!」と完成した教会を破壊しようとします。
しかし街の人たちが、「いやいや、ちゃんとワイン居酒屋作るよ!それはこっちの教会ではなく、隣の方だよ〜」ということで、
隣の市庁舎にはラーツケラー(市庁舎のお抱えレストラン)が作られたのですね。
従って、悪魔さんは嬉しそうに教会を背に、レストランの方を向いて座っているわけです。