シャッヘンハウス – ルートヴィヒ2世が愛した秘境の隠れ家へ
登山でしか辿り着けないドイツアルプスの絶景
今回はもう三回目のシャッヘン登山。
でも初めて一人での訪問。
一人で旅していると、途中に出会った人たちとお話しするのもとても楽しい。
登山中は、出会った人たちと挨拶を交わすのが普通で、挨拶をしない人はむしろ珍しい。
ハロー、と軽くすれ違うのもいいけど、山の挨拶「Servus! (ゼルヴス!)」と言う人が多いかな。
三時間ほどかけて約10kmの登山。
絶景のためならどうってことない。
今回はどんな景色が見られるのか、計画しながらワクワクで一杯だった。

ルートヴィヒ二世のお城がユネスコの世界遺産登録
2025年7月12日、きっと忘れることのない日付。
それは、ルートヴィヒ二世のお城がユネスコの世界遺産登録された日だから。
ロマンチック街道のハイライトであるノイシュヴァンシュタイン城だけでなく、リンダーホーフ城、ヘレンキームゼー城、そして私の個人的なアイドルであるシャッヘンハウスの四つが一つの世界遺産となって生まれ変わった。
(正式名称はバイエルン王ルートヴィヒ2世の宮城群、The Palaces of King Ludwig II of Bavaria: Neuschwanstein, Linderhof, Schachen and Herrenchiemsee)

四つとも簡単にアクセスできるとは言い難い中で、ノイシュヴァンシュタイン城とリンダーホーフ城を巡るバスツアーは旅行会社によって定期的に開催されているので、現地の交通事情に明るくなくとも訪れることができるので人気を集めている。
例えば、ミュンヘンから上記の二つのお城を訪れることができるツアーはこちら。
駐車場もたくさんあるので自家用車やレンタカーで行くこともできる。
一方、ヘレンキームゼー城はキーム湖に浮かぶヘレン島に立っており、現地までたどり着くのはなかなか困難だけれど、それでも電車でプリーンまで行き、何とかフェリーで島に渡ってしまえば後は徒歩20分程度でお城に到着だ。

四つ目の世界遺産「王の家シャッヘン」
四つのお城の中で、最もアクセスが難しいのはシャッヘンハウス。
海外からドイツ旅行で来る方には最難関で、従ってあまりプロモーションもされていない。
でも標高1866mの山の絶景、シャッヘンハウスと大自然のコラボレーションは言葉で言い表せないほど美しく、病みつきになるほどだ。
シャッヘンハウスは標高1866mのシャッヘン山頂にあり、登山(またはマウンテンバイク)でのみ訪れることができる。
一番簡単なコースは五つ星のウェルネスホテル、エルマウ城近郊にある登山口から登るコース。
ただし、エルマウ城までは以前は登山バスが出ていたが、現在は廃止されてしまった。
でも私は簡単に辿り着けないからこそ、行ってみたくなる性格で、今年は三回目の訪問に挑戦すると決めていた。
バスが廃止されてしまったのは想定外だったけど、さあ、どうやって行こう?

究極の古城ホテル!?
色々と検討した結果、ミュンヘンからレンタカーというジョーカーを引くことにした(笑)。
さらに今回はヒュッテに二泊することを決断。
一泊だと天気次第では良い写真が撮れないかもしれないし、前回断念したマイラーヒュッテにも訪れてみたかった。
お城好きとして、泊まれるお城には泊まってみたい気持ちを押さえられない私。
シャッヘンハウスの中に泊まることはもちろんできないのだけど、すぐ横には山小屋がある。
お城の、事務所やキッチンと倉庫的な役割と、使用人の宿泊施設を担っていた場所だ。
なんとそこは現在でもレストランと宿泊施設になっていて、誰でもご飯を食べたり泊まったりできるのだ。
下界(?)にある古城ホテルでも本館ではなくアネックスと称して別棟も客室として提供しているではないか。
つまり、シャッヘンハウス訪問でもお城の一部に泊まれるのだ。
まさに、究極の古城ホテル! yeah

スケジュール Day 0 & Day 1
Day 0
ミュンヘンに到着、宿泊
Day 1
9時 レンタカーを調達しエルマウ城付近のハイキング駐車場へ
11時50分 ハイキング開始

13時15分 途中のヒュッテ (Wettersteinalm) で昼食兼休憩
14時00分 ハイキング再会
15時半〜16時には ゴールイン、の予定だった。。。

しかし雨の中で標識を見逃してしまい、迷いに迷って・・・
15時 道を間違ったことに気づき岩盤の前で絶望
15時45分 軌道修正完了、14時半頃に道を間違えた分岐点へ戻る。

17時 ゴールイン、チェックイン(チェックインは17時半まで)
17時45分 夕食(ご飯は18時まで!)
やや曇天につき夕焼けや星空は断念。

Day 2
7時頃から朝の散歩
8時半 朝食

9時半 ハイキング開始、まずは展望台へ
10時 マイラーヒュッテに向けて登山開始



11時45分 ゴールイン!
12時半 マイラーヒュッテで昼食

雲がすごい速さで出てきたので寒いけど下山を待機
13時45分 下山開始

途中でハンスおじさんと歓談し、アルペンローズの美しさについて語る。
15時 シャッヘンハウスに「帰宅」
17時 シャッヘンハウスを訪問

18時 夕食
21時 就寝
と思いきや23時半に起き出して星を見る

Day 3
5時半 日の出を見に出かける
8時半 朝食
9時 下山開始

牛さんたちと戯れる
11時ごろ、砂利で滑って転ぶ。小石が刺さって流血、痛い(涙)。

12時 下山完了
欲張りな私はリンダーホーフ城へ向けて出発
13時半 リンダホーフ城到着
お城や庭園の見学
グロッテの見学
18時 ミュンヘン着、レンタカーを返却、帰宅

シャッヘンハウスとルートヴィヒ二世
シャッヘンハウスは標高1866メートルのシャッヘン山頂にある。
1869年に建設が始まった(ノイシュヴァンシュタイン城の翌年)。
山の上の宮殿というと、狩りを思い浮かべるかもしれないが、父親のマクシミリアン二世とは正反対に、ルートヴィヒ二世は狩りが嫌いだった。
シャッヘンハウスは、彼が純粋にドイツアルプスの雄大な自然を自由に、そして快適に堪能するための家として建てられたのだ。
ルードヴィヒ二世はいつも夜間に乗馬で登山し、使用人を数人先に行かせて花火の準備をさせていたとか。
王の到着に合わせ、打ち上げ花火をあげて歓迎させる、なんてとんでもないことを考えましたね・・・。
一階部分は何となく質素なイメージを与えるが、当時最先端のフランス風ヴィラというコンセプトで作られている。
ちゃんと仕事部屋もあって、王が山に滞在中でもちゃんと仕事をしていたことが知られている。
(資料を抱えて山を登った使用人のことを考えるとかわいそうだけど)
トルコの宮殿風に改装した二階の居間では、美しいステンドグラスをあしらった窓に囲まれて幻想的な時間を過ごすことができる。
ルートヴィヒ二世は使用人にトルコ風にコスプレさせ、その部屋で毎年一人、誕生日を祝ったそう。
内部の撮影は残念ながら急すぎて許可が降りず、また来年挑戦したいなー。

リンダーホーフ城へ寄り道
さらに、今回帰り道(でもないけど)回り道をしてまでリンダーホーフ城を再訪したのには、特別な理由があった。
それは、何年もかけて修復されたグロッテを訪問すること。
ルートヴィヒ二世の最高傑作とも言えるこの場所は、2015年から10年の歳月をかけ修復作業が行われた。
洞窟の中に作られた小さな人口の湖には白鳥のボートが浮かび、幻想的な照明に照らされる人口の滝。
ちなみにここはバイエルン王国で初めて電気が引かれた場所で、ルートヴィヒ二世は最先端の技術にも特別な興味を持っていた。
民衆のためではなく、洞窟内でワーグナーのオペラを上演するために電気を引いたところがなんとも言えないけど・・・。

生まれ変わったグロッテ
お城の内部は撮影ができないがグロッテはツアーの終わりに撮影可。
前回グロッテに入ったのはもう10年以上前で(10年間修復していたので当然・・・)、しかも当時は撮影ができなかったと思うのであまり覚えていないけど、パワーアップした感は満載だった。
美しい・・・周りも幻想的に照らされた珊瑚のような木が取り囲み、まるで海の中にいるような気分に。
あっ、竜宮城か!
ということは洞窟から出たらおばあさんに・・・ってことは流石に無かった(笑)。

圧巻の噴水
毎時間ちょうどと、半に上がる噴水。
お城の前でベストポジションを確保!
ツアーの前後で時間を確認してぜひ見ておきたい圧巻の噴水だ。
それ以外にもお城の後ろにあるカスケードも最高に美しい。
「音楽のパヴィリオン」からカスケードに沿ってお城を見下ろすのもおすすめ。

シャッヘンへ2泊3日の旅をまとめた動画はこちら。
(YouTubeで開きます。チャンネル登録もぜひよろしくお願いします!)
シャッヘンハウス(王の家)のHP
シャッヘンハウス(王の家)のHP
世界遺産!徒歩または自転車でのみ訪問できます。
一番簡単な登山コースを休憩なしで登ると約3時間弱ですが、途中のヒュッテで休憩がお勧め。
王の家の見学は9時から17時の間、毎時ちょうど開催されるツアーでできます。
毎年6月〜9月(日付は毎年変わります)の夏季のみオープン。
エルマウ城から日帰りできないこともないですが、一泊して山の夜と朝を体験して欲しいです。
(そもそもエルマウ城まで行くのが一苦労)

シャッヘンハウス(ヒュッテ)のHP
予約はメールか電話で、予約が確定したら全額を事前決済が必須。
登山道の解説などもあり便利。
下記は必須の持ち物。
・山小屋用の薄い寝袋(毛布の下に、寝袋を着て寝ます!)
・ドライシャンプーとハンドタオル(洗面所はありますが、シャワーはありません。)
・パワーバンク(現地では充電できません。)
・ドリンクボトル(水道水は雨水を利用しているので飲めないため、下り分の水は帰りに有料で補給してくれます。)
ゴミを出さない工夫が必要。(紙ごみ以外は持ち帰る)
水洗トイレがあります!

マイラーヒュッテのHP
マイラーヒュッテのHP
標高2372mに位置するヒュッテで、徒歩でのみアクセス可能。
予約はメールか電話で、予約が確定したら事前決済が必須。
水は自由に使えず、ゴミも殆ど出せないので注意。
水洗トイレはありません。


